裁縫と言えば、ミシンで縫物をするイメージを浮かばせる人が多くいますが、伝統は手縫いです。小学校の家庭課でも、先ずは手縫いから教えていますよね。普段、手作りしないと、小学校の家庭課で習う「手縫い」は、遠すぎる思い出になっている事でしょう。

    現代はミシンを使う人も多いと思います。手作り作品を本格的に販売している作家さんで無ければ、ミシンは出し入れ、手入れの面倒さに加え、コストが全く見合いません。将来の為にミシンを・・・・・・と言うのは、販売計略に乗せられただけの話で、現代の核家族には、全く必要がありません。

    筆者は母から譲ってもらったミシンと、買わされたロックミシンが家にありますが、ちょっとしたリメイクや縫物で、いちいち出して、クリーニングして、仕舞うまでの流れ作業が、縫う事自体より数倍大変で、全く使いません。早いうちに転売すれば良かったのですが、母の機嫌を損なうかも知れないと言う気がかりで、とうとう両方のミシンとも、押し入れで寝っぱなし、今年でめでたく20年を迎えます。

     裁縫は、トータル的に見ると、子供の幼稚園グッズから始め、結構こなして来ています。別に子供の入園時期から習い出したものではなく、自分の幼少期から、縫物を教わりました。昔は良くある事ですね、雑巾が足りなくなると、母が古タオルを持って来て、雑巾縫いをさせられます。

    雑巾なので、縫う事についての品質を要求しません、ただ、回数をこなすと、自然にステッチが綺麗に、上手になって来ます。

    当サイトでは、リメイクや裁縫は全て手縫いを中心にやっていますので、最も基本な縫い方について、このページで纏めて行きたいと思います。縫い方、縫い目の事を英語では「stitch」と言い、中国では「缝针」と言います。

「並縫い」について
    なみ縫いは良く耳にすると思いますが、表と裏へ行ったり来たりしているから、波のようなところから来ている波縫いかと思っていましたが、全く違って、「並縫い」と書きます。そして、「並縫い」と呼ぶのは洋裁分野であり、和裁では「串(ぐし)縫い」と呼ぶそうです。
    
    並縫いと串縫いは同じ認識で構わないですが、厳密に言うと、違いがあります。どんな違いかと言うと、それは「洋裁」と「和裁」の違いと言う認識でいいかと思います。そして、特徴として現れるのはピッチのサイズです。

☞ 洋裁ではステッチのピッチが3~5mm
☞ 和裁ではステッチのピッチが1~2mmです。

    これはあくまでも平均的データで、一般論ですので、基本縫いたいピッチを自分なりの考えで決めれば良いのです。

    因みに、英語では「running stitch」、中国語は「平缝针」または略して「平针」と言います。では、実際に「並縫い」の縫い方を、GIF動画にしましたので、参考までにどうぞ。

【ステッチ】並縫いの縫い方


「返し縫い」について
    返し縫いには、「本返し縫い」と「半返し縫い」があります。並縫いは縫う方向に向かって、ひたすら縫い進むのに対し、返し縫は一度針を戻してから、前へ縫い進みます。2歩進んで1歩下がると言うイメージです。

    何故針を戻すか、返し縫には大きな特徴が2つあります。

① 糸の上で生地の横滑りを止める
② 返し縫いによってミシンのような丈夫な縫い方ができる

    これは本返しでも半返しでも同じ効果がありますので、本返しと半返しは見た目だけが違っていると言う事です。

    返し縫い(本返し縫いのこと)を英語では「back stitch」と言い、中国語では「后针」と言います。半返し縫いは英語が「half bak stitch」、中国語が「半后针」です。実際の縫い方はGIF動画にしましたので、ぜひ下記のページまでお越し願います。

【ステッチ】返し縫いの縫い方


「返しぐし縫い」について
    返しぐし縫いは、手縫い作家の高橋恵美子さんの本で何度か目にしました。等間隔に2、3針並縫いをしてから、1ピッチ分戻して針を入れ、2ピッチ分先に針を出す。

    縫いあがりは2点差線みたいで、並縫いの速さと返し縫の丈夫さが兼ね備えた手法であり、筆者も、ほとんどの手縫い作品で、この手法を使うようになりました。縫い始めと縫い止めも返し縫いすると、ミシンがなくても、丈夫な裁縫ができます。

    並縫いを知っている人は多かろう、返し縫を知っているも少なくはないでしょう、しかし、返しぐし縫いを知っている人は、そう多くはないと思います。

    実際、現在までネットで検索調査をしましたが、並縫いと返し縫いを教えているページは実に沢山ありましたが、返しぐし縫いにヒットしたのは当サイトの古いバージョンだけでした。

    実際の縫い方をGIF動画にしてみました。

【ステッチ】返しぐし縫いの縫い方


    では、手縫いの良さを体感できるまで、当サイトのコンテンツを存分にご利用下さい。いつか当サイトのコンテンツで作成した作品の画像を見る事ができれば、きっと筆者は幸せになり、その幸せを運んでくれる方に感謝したくなります。