色彩調和を知る上でのカラースキーム
いきなり目に刺激的なものを見せてしまい、大変申し訳ありません。昭和時代のブラウン管テレビを見て育った世代なら、少々刺激が強くても、懐かしいのではないかと思います。本記事は旧 Google Site から引っ越して来たもので、たびたび更新しております。
昭和当時のカラーブラウン管テレビでは、放送時間が短くて、番組が全部終了した際に、目に飛び込んでくるのが、このカラーの画面です。
これをほって置くと、やがて「ザー」という音に伴って、砂嵐のような画面になります。そう、恐怖映画で良く使われるシーンです。ぞわっとしたら、このページを最後まで見て下さい、いまからその得体の知れない恐怖を避けるために、必要な話をします。
昭和時代は色彩に対する研究がまだ少なく、或いは一般的に重要視されていないのか、アイキャッチのような目に刺激の強いカラー画面が使われていましたが、今それを見た皆さんは、どんな感覚になりましたか?別に何ともないけど?と思ったあなた、心身ともに若くて健康である状態です!でも、あまり長く見ないようにして下さい。
筆者は胃の当たりがず~んと沁み込む不快感を感じています。これが、色彩調和に関わる感覚です。そもそも色とは、自然界にある光の波長を、人間の網膜が感じ取ったものなので、そのまま人間の「感覚」なのです。
感覚は神経系統で繋がっていますので、心の感じ方にもそのまま影響を及ぼします。近年、医療分野やヒーリング分野でも、カラーセラピーがあるのは、科学的に認知されて来ているからです。
もの作りには色が関わって来ます、一般的「無色」と言うのは、色が無いと言う事ではなく、カラフルではないと言うだけです。
折角作った作品に使った色や、コーディネートした色のバランスが、知らず知らず他人の目に、「不快」に映っていたら、どうしますか?善意が伝わらなかったり、仕事の成果が出せなかったり、知らず知らず自分のマイナスとなる事なんて、望む人はいませんよね。
色彩調和を知った上で、カラースキームを決める事が人間の感覚に直結する、非常に大事な事です。
カラースキームとは?
英語で「Color Scheme」、日本語で「色彩計画」と訳しています。Scheme を正確には計画と言いませんが、 カラースキーム自体、建築業界やデザイン分野では、必須な項目です。ちなみに中国語では「配色设计」と言い、もっと砕けた「 色彩搭配」と言う言い方もあります。
色そのものが持つ心理的・生理的・物理的な性質を利用して、まとまりのある雰囲気を作ったり人々の感情などに働きかけるなどの目的に合った配色を行うための設計のことです。
ハンドメイドの分野でも、作品の使い方によっては、ファッションデザイン、インテリアデザイン、空間デザインとの繋がりがあるので、カラースキームはないよりも、あった方がいいのです。
色彩調和とは?
配色したそれぞれの色が調和し、見る人に好感を与える状態の事を言います。英語では「Color Harmony」と言い、中国語は「色彩调和」です。
色彩調和の考えの起源と思われます、古代ギリシャ哲学では「美は変化の中に統一を表現することである。」と言われ、西欧美学の古典的命題の一つとされてきました。
日本で使われるようになったのは明治以降からですが、世界各地域では、遥か昔から唱えられていた「色彩調和論」がありました。それに関しては、当ハンドメイドブログとは全く異なる分野のように思いますが、実は色との関りから切り離せないものですので、そのうち、別途記事を作成したいと考えています。
色彩の基本と分類
IT技術の進化に伴い、PC普及率が大幅に上がり、PCによるカラー表現が増える事で、色と言えば「RGB」と連想する人が断然多いと思います。「RGB」を三原色と思っている事でしょう。
上記の文面でも触れましたが、人間の色に対する感覚は光の波長の違いによる網膜への刺激で生まれています。その網膜への刺激の強弱によって、多くの色彩を感じる事が出来ますが、基本の光波長によって感じる原色は3種類だけだそうです。それが赤、緑、青で、英語の頭文字が「RGB」です。
「RGB」は厳密に言うと、三原色ではなく、「色光の三原色」であります。スポットライトの光を想像して下さい。この三原色を混ぜるとほぼ全ての色が作れ、混ぜるほどに明るくなり、全て混ぜると白になります。
全く同じ理由で一般的に浸透した「HSV」と言うのもあります。人間が色を知覚する方法と良く似ていますので、絵画ソフトなどの色彩調整でも必ず使われています。しかし、「HSV」は色彩そのものではなく、色相(hue)・明度(lightness)・彩度(saturation)の 3 つの基準から色を分類するモデルで、色の三属性(three attributes of color)と言います。
上記「RGB」は最も基本的な色相であり、重ねるごとに明るくなって行き、全部混ざると白になります。そのうちの2色を混ぜたものを二次色相(secondary colors)と言います。
赤+緑=黄(yellow)、緑+青=シアン(cyan)、青+赤=マゼンタ(magenta)
この黄色、シアン、マゼンタも、ほぼ全ての色を作る事ができ、「色材の三原色」と呼ばれています。RGBを表現するスポットライトに対し、絵の具で想像して下さい。混ぜるほど暗くなって行き、全てを混ぜれば黒になります。
くどく説明するなら、人間社会のものづくりにおいて、何らかの材料を使って全ての色を表現する為の三原色が、この「色材の三原色」です。
色光の三原色が混ぜるほど明るいのは、光が増える為で、加法混色と言いますが、色材の三原色は混ぜるほど光が減るので、暗くなり、減法混色と言います。
下記左の画像は色材の三原色による減法混色で、右の画像は色光の三原色による加法混色です。
❞ http://www.sikiken.co.jp
色相の総体を順序立てて円環にして並べたものを色相環と言い、英語では「color circle」、中国語では「色环」または「色轮」と言います。本来色が混ざったところで、境界線がありあせんので、下記色相環が自然です。
❞ http://www.sikiken.co.jp
この基本以上に興味をお持ちの方は、色彩専門サイトを検索すると良いでしょう、非常に勉強になりますが、当サイトのハンドメイド分野では、今のところ、ここまでで充分です。
カラースキームの基本知識
しかし、色の採取や説明には不便なので、主要色だけを境界線付きで表示する等分された色相環が一般的に使われています。絵の具などで使われる基本色とされる12色で、配色の話を進めて行きたいと思います。
カラースキームで使われる配色のテクニックがあり、基本的なものをいくつか、覚えて行きましょう。
・補色色相配色(色相環上で向かい合う2色) →
はっきりとしたコントラストで目立たせたい場合に使います
・類似色相配色(色相環上で隣り合う3色) →
落ち着きがある色合わせだが暖色と寒色は一緒に使わない様に
・分裂補色配色(補色色相の類似色を使う) →
・類似色相配色(色相環上で隣り合う3色) →
落ち着きがある色合わせだが暖色と寒色は一緒に使わない様に
・分裂補色配色(補色色相の類似色を使う) →
コントラストが補色色相ほどではなく失敗し難いので初心者向き
・3色配色(色相環上等間隔にある3色) →
コントラストと色のバランスが良い
・4色配色(補色色相配色2対4つ、二重補色色相配色とも言う) →
バラエティ豊富だがバランスを取るのが最も難しい色の組み合わせ
上記の画像はモノトーン色相環です。
・3色配色(色相環上等間隔にある3色) →
コントラストと色のバランスが良い
・4色配色(補色色相配色2対4つ、二重補色色相配色とも言う) →
バラエティ豊富だがバランスを取るのが最も難しい色の組み合わせ
上記の画像はモノトーン色相環です。
モノトーンとは、白黒グレーの構成に限らず、単一の色の濃淡・明暗で構成された色使いを言います。部分的に別系統の色が含まれている場合であっても、全体の基調色が単一であれば、それもモノトーンと表現されます。
モノトーンの配色は、以下のような違いがあります。
・有彩色モノトーン(白と黒の混ぜる割合で変わる同系色) →
色相環を参考に、但し単調になりがちで、1つ純粋な白か黒で補完すると良い
・無彩色モノトーン(黒から白までの特殊なカラースキーム) →
効果的だが味気ない印象になりがち、鮮明なアクセントで補完
モノトーンの配色は、以下のような違いがあります。
・有彩色モノトーン(白と黒の混ぜる割合で変わる同系色) →
色相環を参考に、但し単調になりがちで、1つ純粋な白か黒で補完すると良い
・無彩色モノトーン(黒から白までの特殊なカラースキーム) →
効果的だが味気ない印象になりがち、鮮明なアクセントで補完
自分でデザインしてカラースキームを行うのなら、以上の基本的な色彩知識を覚えれば、色々な所で大いに役に立てるものです。自分でカラースキームが出来ない場合は、どうすればいいかと言うと、もっとも楽な方法として、色彩サンプル提供サイトからカラーサンプルを頂くと言う手もあります。詳細は、下記記事へお越しください。
コメント
0 件のコメント :
コメントを投稿
日頃の応援をありがとうございます。