引抜編みとは何ぞや
引抜の筋編みは模様ができますが、段として立ち上げる高さは、僅か糸1本分の太さしかありません。引抜編みがあまり模様として使われていない理由は、単に作品にするまでが、他のどの編み方よりも時間が掛かるからではないでしょうか。
中国語は「滑针」と言います。これも、読んで字のごとく、ですね。
段の折り返しで編み糸を針の向こうへ回して、最初の目を拾います。
引抜編みで、拾い目の奥の1本だけを拾って編む場合は、以下の投稿で模様のイメージが見られます。これは意外な特徴を持っていますので、ぜひお立ち寄り下さい。
「GIF動画で見る引抜きの筋編みと畝編み」
引抜編みは英語で「slip stitch」と言い、st (sl) と略されます。読んで字のごとく、針を滑らせて編むと言う事です。
中国語は「滑针」と言います。これも、読んで字のごとく、ですね。
JIS記号はこちらです。
いきなりですが、引抜編みの編み方を順に追って行きましょう。引っ越して来た古い記事で動画はありません、説明は静止画でご了承願います。
p.s.
上記画像は古い教本の教え方です。お薦めのやり方があります。
① 一度鈎針を編み目から外す
② 編み糸を向こう側へ移動させる
③ ループの自然な状態で、鈎針を右→左へ差し込む
④ 左の目を拾い、編み進める
段を変える時にモチーフを裏返しすると同時に、鈎針も一緒に回転させ乍ら、編み糸を向こう側へ移動させるのも、有効です。
編み糸を針に掛けてから一気に引抜くのが、引抜編みです。
以降は左へ順に目を拾って、編んで行きます。
編み糸を針に掛け、拾った目と針にかかった目を一緒に引抜きます。
この繰返しで引抜編みが出来ます。では、引抜編みはどこでどの様に使われているでしょうか。思いつく順にリストで整理して見ましょう。
左隣りの目を拾う+編み糸を掛けて引抜く
① 鎖編みの最小単位である編み目は、引抜編みである
② 引抜編みは、良くラウンド編みの段閉じに使われる
③ 良く段の立上げ目として、引抜編みが使われる
④ 引抜編みは、良く縁処理(補強)に使われる
⑤ モチーフやパーツを繋ぐために、引抜編みを使う場合もある
⑥ 裏~表に引出して、引抜編みで模様のアクセントを付ける場合がある
⑦ リブ編みの模様作りに、引抜編みを使う
整理すると見えて来ますが、引抜編みは、鈎編み作品の中で、かなり重要な役割を果たしています。