日本で言う「飾り結び」は英語の「ノット」であり、「中華結び」と同じもの
縄や紐を結ぶことは、旧石器時代から、人類が行ってきている日常生活の一部です。その「結び」にやがて装飾的美意識と数学的奥深さが見い出され、「結び」は装飾、願掛け、知恵等別の分野へと発展して行きました。
日本での飾り結びの代表には、水引きがあります。海外の人はこれを「日本結び」と呼ぶ事があります。水引きはには人の気持ちや願いを込めた、霊的な意味を持っていて、故に縁起物と言います。実は言霊的な意味は中国の漢字文化に由来しているので、中国結びと共通する部分はかなり多くあります。
中国周の時代から、人々は魔除けに宝石の一種である「玉」を身に付ける際に、飾り結びを使い、腰ベルトに吊るしていました。但し、その風習は一部王朝貴族の間にあるもので、民間人は「玉」を買える人は限られていました。
中国清の時代にようやく飾り結びが民間芸として伝えられるようになり、室内装飾、友人間の儀礼贈呈、身に付ける縁起物として、普及して行きました。しかし中国大陸において、共産党が起こした文化大革命によって、民間文化が大きな打撃を受け、「結び」と言うものはほぼ失っていた事は、wikiで確認できました。
中華結びは中国結びの復活
1980年末、台湾の陳夏生と言う女性が民間手芸の結びについて、歴史や詳細を調べ集め、本を出版した際に、名前を「中国結」にした事により、中華圏での飾り結びを中国結びと呼ぶようになりました。ところで、非共産圏の文化人や国外で中国と中華民国を違いを知っている文化人からは、中華圏で復活した飾り結びを「中華結」と呼びます。
中国大陸のネット上では、「中国結びをまたの名は中華結びである」と表示していますが、中国大陸で再び普及された飾り結びの文化は、香港や台湾など非共産文化圏で維持されて来たおかげだった事は、皆さんに知って置いて欲しいと思います。
飾り結びが普及したから、自国名を付けているものは他に「朝鮮結び」があります。日本では日本結びと呼ぶ人はいないような気がします、水引きと言う代名詞か、吉祥結びまたは飾り結びと呼んでいます。
因みに英語圏では「ノット」と言って、アメリカのパラシュートに使われるビニールコードである、パラコードを使った飾り結びのブレスレッドが流行り出しています。飾り結びがアクセサリーの領域にも入って行きましたが、アジアの結びの意味を、英語圏の人がどれほど理解しているのか、或いは理解している人がいるかどうかは、わかりません。
飾り結びは縁起物と言われるゆえん
何故水引きの「結び」が縁起物なのかと言うと、「結びつき」の言霊にあやかったものだと言われています。これは漢字文化の国である昔の中国でも、同じ事でした。
「結び」は人の感情や願望に多く使われ、例えば「縁結び」、「結びつき」、「結合」、「団結」、「結婚」、中国語にはもっと多く「結」を使った友情や愛情表現があります。「結び」を使われる言葉には「始まり」を意図するものが多く、始まりがあれば終りあるように、「実を結ぶ」と言う成功の言葉に通じています。また、物事のケジメとして、「結果」、「結局」もあり、故に古くから「結び」は縁起物と言われていました。
更に、紐などによる結びには結びの霊力が宿るとされています。それは縁起物だけでなく、魔除けの力もあると言います。中国の昔には「神霊結」と呼ばれ、その種の結び方に霊力が宿ると言われ、その中の一つが「吉祥結び」でありました。日本の吉祥結びと関係があるのかどうかは、はっきり分かっていません。
日本も古くからの和装や各種儀式に「結び」を使い続け、もはや日本文化の中の一要素でもあります。もうはっきり覚えてませんが、かなり前に、日本のサイトで「手作り結びに宿る霊力にあやかって、幸せな人生を過ごしましょう」と言う文面を見た事があり、なんだか日本も、昔の中国も、結びの霊力をあやかりたいと言う人々の心理がありました。
結びにあったもう一つの意味
古くから、役所や会社の重要書類で紐結びのファイルを見た事はありませんか?平成生まれ以降の人は、見る事があまりないかも知れません。昔は、正式書類や重要書類をしっかりと紐結びをしていました。
「百度」の検索結果で、中国古代の易学著書「周易注」の中に、「紐結びによるものは約束事でもあり、重要な事は大きく結び、些細な事は小さく結ぶ」と書いてあるそうです。つまり昔の紐結びには、約束と言う法的意思もあったそうです。
信じるか信じないかは、あなた次第ですw
飾り結びが面白くて、これから色々チャレンジして、作品を作ってみたいと思いました。その前に、結びについて勉強してみた訳ですが、お立寄りの皆さんにも面白い豆知識となれば、幸いです。
結び用の紐は色々な材料がありますが、昔は組紐を使っていました。組紐に関しては、新しくページを作りましたので、ぜひご参考下さい。
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