綿糸ができるまで



    日本語の読み方が「わた」と「めん」に分かれ、全く同じ意味かと思っていましたが、
調べて見ると微妙に違いがありました。

    昔々、綿(わた)と言えば繊維の絡まった塊を言い、絹繊維の塊を真綿(まわた)、麻繊維の塊を麻綿(まわた)、ウールを羊毛綿(ようもうわた)と呼んでいました。業界で働く人たちは、ひっくるめて「わた」と呼ぶ事もあったようです。

    中でも麻綿と書いて「まめん」と読むと、それは繊維の塊ではなく、麻と綿で混紡した生地の事を言います。

    繊維の塊全般を古くから「わた」と言うならば、なにも無理して漢字の「綿」を使う事はないと、思ったりしました。

    綿は本来木綿の事を示す中国漢字から来ていて、綿=木綿と言う事でした。綿と省略して表示するのは、糸や花など別の漢字と組み合わせて、特定のものを表示させる必要性から来ています。

綿花の栽培について
    英語は Cotton (コットン) です。

    花と実の写真をイメージの参考にどうぞ。


    綿糸とは木綿の繊維から作られる糸の事を言い、現在わかっているところによると、約8000年前、メキシコから使われ始めたと言われています。

    旧世界(ヨーロッパ、アジア、アフリカ)で、栽培された最も古い記録は、約7000年前のインダス文明からでした。

    木綿は「あおい科」に属し、きれいな花を咲かせる植物です。


    花の後にできる実(コットンボール)が成熟して弾け、中から白い綿繊維が溢れ出ます。

    綿花の栽培条件は適度な高温と多湿にあり、熱帯や温帯地域での栽培が適していると言われます。経済成長に伴い、綿花栽培は採算が取れない事業となり、生産が減りつつあるのが現状です。

綿繊維の採取と紡績

    昔は摘み取った綿花を全て手作業で種を除き、紡いでいました。紡ぐときの力加減や紡ぎ方で、綿糸は様々な様子を呈します。筆者が特に好きなのはレース糸とソフト綿です。両極端の撚り方をします。


    今はオートメーションの時代ですので、8割は機械による自動生産です。上記画像は綿繰機(わたくりき)で、種を取っているところです。


    紡績業者の工場において、大型機械で糸を紡いでいる様子です。

    イギリスの産業革命による現代工業の中で、最も代表的な紡績について、多少なりとも興味を示す人は多いでしょう。実際どんな事ををしているのか、幾つかリンクを貼って置きます。

大正紡績株式会社が紹介する紡績工業
旭紡績株式会社が紹介する紡績工場
大垣扶桑紡績株式会社が紹介する紡績工程

綿の特徴
    既に周知されている綿のメリットとデメリットを含めて、その特徴は以下です。

● 天然繊維故のソフトな風合いと肌触の良さ
● 刺激性と静電気の心配がなく、赤ちゃんにも安心
● 吸水性に富んで涼やかだが、乾きは遅い
● 保温性は動物繊維に劣る
● 繊維が丈夫で熱に強い
● 皺になり易い
● アルカリ性に強いが酸性に弱い
● 染色性や発色性に優れている
● 長時間日光に当たると黄変する

綿の品質管理
    綿花は世界80~100カ国以上で栽培されており、最も身近な繊維です。

    綿の品質を決める重要な要素は繊維の長さであり、繊維が長いほど良質なものと言われています。高級の綿と言われる順に分類されると、コットンは4種類があると言われます。

● 超長繊維綿 ー 長さ35mm以上
    シルクの様な光沢がありカシミヤに引けを取らない
    繊維の細さはカシミヤ=14μ16μ>超長繊維綿約12μ
    衣料、タオルに使われる
● 長繊維綿 ー 28mm以上
    衣料、タオルに使われる
● 中繊維綿 ー 21mm~28mm
    布団綿用に使われる
● 短繊維綿 - 21mm以下
    毛羽立ちが目立ち肌触りが良く無い

    綿繊維を製品にされる前は、先ず糸に撚りますが、この衣料に使われる綿生地の価格を左右する大きな要素には、糸の紡ぎ方があります。例えば、以下の様な紡ぎ方があります。

● コーマ糸
    毛足の長い綿を集めて糸にするので高価
● カード糸
● 空紡糸
    短い綿を紡ぎ合わせた糸でガザつく安価物、昔の技術で風合いが良いと表現される事もありますが、品質が良いと言う意味合いでは無い

    現在日本で日常的に知られている、地域性のある「綿の種類とブランド」について、別表に纏めて見ましたので、必要な方はリンク先をご参照願います。

    そして、綿繊維を紡績する事で綿糸や綿生地が出来、初めて衣料製品としての縫製が出来るようになります。

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