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    綿と言う植物や特性について、前回の記事「綿糸ができるまで」で纏めました。今回は、市販の綿製品の価格がどうしてピンキリなのか、綿の品質やブランドはどうなっているのかを、纏めて見たいと思います。

    トップ画像にある色の違いのように、地球上の地域による気温や湿度差(生産条件と言う)で、生産される綿に違いが生じます。その違いが綿の品質に関わって、材料として使った製品の価格にも、響いて来るわけです。

    綿が、麻と徹底的に違っている点は、色々な植物から取れるのではなく、世界にある多種多様な綿は、元を辿れば、全て同じ先祖であることです。綿栽培が世界中に広がって行く事で、品質の差が生まれるのは、生産条件の違いによる事が、分かって来ます。

    人類が基本的な文明生活の柱である衣食住のうち、衣の柱を支えている綿の事業は、巨大な規模であり、当然品質管理協会が存在し、ブランドも数多く存在しています。

綿の主要ブランドとその品質
    現在、世界に於いて、綿の生産上位を占めている国は、これだけあります。

●インド
●中国
●アメリカ
●パキスタン
ブラジル
●ウズベキスタン

    綿の品質評価の判断要素で最も重要なのは、繊維の長さです。繊維が長いほど高級品となります。そして世界的に認知されたブランドと、それぞれの特性を参考として記します。太字は世界の三大ブランドと言われますが、海島綿は更にその上を行く高級品です。

    下記画像は高級な超長綿繊維で、アイキャッチ画像の一般綿とは、明らかに品質の違いがありますよね。ちなみに超長綿は超高級品で超高価です。

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● 海島綿 (Sea-Island cotton)
・ 西インド諸島カリブ海の自然で育つ超長綿
・ カリビアンコットンとも呼ばれる
・ 40~60mmで圧倒的に長く細い繊維
・ 繊維の宝石と称される
・ 原種に近いデリケートな性質で虫害に弱い
・ 採れる量は世界の綿花の僅か10万分の1
・ 西印度諸島海島綿協会が栽培から商品化まで管理
・ 選ばれたメンバーだけが商品化を認められている
・ 含む油脂で反射率が普通より50%高い
・ 絹のような光沢カシミアのような肌触り
・ 1975年までは英国王室ご用達で門外不出だった

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❞ https://izumm.tokyo/

ギザ綿 (GIZA cotton)  
・ 世界的高評価で希少性の高いエジプト超長綿
・ ナイル川流域の一部でのみ収穫できる
・ 上記以外はエジプト綿でもGIZAと名乗れない
・ 生産から納品までの管理体制が整えている
・ GIZAは地名に由来する
・ GIZA86、GIZA70の様に数字は種の開発順
・ 数字は大きいほど新種である
・ GIZA45が今まで最高の出来だった
・ 同じ畑で品種の掛け合わせて開発している
・ 毎年同じ品質を保てない
・ 全てが35mm以上の超長綿とは限らない
・ 出来が悪い年は流通が減る
・滑らかな風合いとシルクの様な光沢がある

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❞ https://www.93-iroha.jp/

● スーピマ綿 (Superior Pima)
・ 南米ペルー原産ピマ綿が原種
・ 米国カリフォルニアで改良栽培した超長綿
・ アメリカスーピマ協会の登録商標になる
・ アメリカ南西部四州で生産されている
    * テキサス
    * ニューメキシコ
    * アリゾナ
    * カリフォルニア
・ 品質を誇るピマ・コットンの中でも最高級
・ 繊維の長さ、細さに優れた高級綿
・ 絹のような光沢感があり、耐久性もある
・ ドレープ性、吸湿・放湿性にも優れている
・ しっとりと柔らかくしなやかな風合い
・ 製品は型崩れし難い上独特の美しい艶がある
・ いわゆるアメリカ綿とは違う
・ アメリカ綿とは大量生産のアップランド綿

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● 新疆綿
・ 中国の新疆ウィグル自治区産の超長綿
・ 中国が国際取引する様になって知られた
・ 天山の雪解け水と灼熱な太陽に鍛えられる
・ 完熟した綿花だけを昔ながらの手摘みで収穫
・ GIZAにも勝るが基準が無く取引も自由
・ 生地は上品な光沢がある
・ しなやかでソフトな触感

● ジンバブエコットン
・ ジンバブエ原産の超長綿
・ 農薬使用せず昔ながらの手摘みで収穫
・ 肥沃な大地とふんだんな日光で育つ
・ 年1回収穫のオーガニックコットン
・ 新疆綿同様品質管理基準が無く取引が自由
・ しなやかで風合いが特別である
・ ヨーロパでは高級ドレスにも使われる

● オーストラリア綿
・ オーストラリア原産、日本輸出無し
・ エジプト綿に次ぐハイクオリティー
・ 日本もオーストラリアで生産していない

● マダガスカルコットン
・ マダガスカル原産

● カメルーンコットン

● ギリシャコットン

● サンホーキン綿
・ カリフォルニア州で生産されている
・ アプランド綿の中では最も高品質
・ 日本ではニット製品によく使われている

● アンデスコットン
・ ペルー原産短繊維綿
・ アンデス地方で野生のまま群生している
・ 空気を多く含んで太めな糸
・ 弾力とボリューム感がある

● インド綿
・ 綿の風合いと機能を備えた短繊維の綿
・ 短繊維の面はデジ綿とも言う

    いかがでしょう、多くは国内販売品で聞いた事があるブランドではないですか。

    当ブログは詳しいデータによる説明より、ハンドメイドに適す素材探しを目的にしており、筆者自身が見易いと言う意図もあり、それぞれの特徴特性及び生産情報等を簡単に箇条書きにしております。

    世界中における綿の種類が多く、調べられる範囲が限られていて、補足があれば随時加筆する予定です。